赤い屋根が母屋で、その周辺の密林に小さな4つのバンガローが点在している。遠くに見える海は東側の太平洋で、冬の時期はザトウクジラの潮吹きを見る事がある。標高約1800フィート(約550m)にある3エーカーのオーガニックコーヒー&トロピカルフルーツ農園。ホワイトパイナップル、オレンジ、レモン、ライム、アボカド、バナナ等をコーヒーと共存してオーガニックで栽培している。 | |
![]() | ホテルではどこにいても必ず朝は、エアコンの機械音や人の話し声・車の音が聞こえ、白い味気ない壁が起き抜けの一日の最初の目に入る。 |
![]() | 植物の葉を屋根に葺き6角形のかたちをした部屋の一辺に、ベッドルームが突き出る形で付いている。窓にはガラスは無く、網戸が部屋の回りのすべてを覆っている。一瞬、バンガローの中を風が駆け抜ける。そして、ただ、そこに僕はただずんでいた。 ある晩、雨が強く降った。幸いにも風が弱く、部屋に吹き込んでくる事はなかった。部屋の外は、屋根を叩く雨音と流れ落ちる雫の音、そしてバナナの葉が擦れ合う音が暗い闇夜を包んでいた。 |
ドアにカギはなく、例えあったとしても回りが網戸なので意味がない。外見だけを見ると今にも崩れ落ちそうな感じだが、屋根には植物の新芽も自生して、幾月もの年月と自然と共存する風格がバンガローには漂っている。 | |
外見とは大きく違い、部屋の中はいたって清潔でシンプルだ。部屋の突き出た一辺に、ダブルサイズのベッドがある。回りを網戸とシェードが囲み、更にレースの緞帳がついている。天井には大きなクモがいたが人に悪さをする種類ではないので、これとも共存する事にした。 就寝する時、目を閉じても開けても、目に映る闇の深さは同じだった。本当の闇夜がここにはある。昔、デビットと深夜にロバートの家から帰る時、手を伸ばせば間違いなくそこに彼がいるのに、本当になにも見えない漆黒がすぐそこにあった。右や左の方向感覚がまったく無くなるブラックアウト。あまりの見えなさに、不安よりもお互いが笑い合ながら、パパイア畑をライターの火を頼りにさまよい歩いた。 | ![]() |
太陽と生活する周りのローカルは早寝早起だ。僕もコナの陽と共に、10時には寝て6時には起きていた。テリーは、毎晩8時に寝て明け方の3時に目を覚ますらしい。まだ暗い3時に起きて何をするかは疑問だが、そのサイクルで、そのスタイルで、彼は長年通している。 | |
![]() | 毎晩、9時にはバナナの部屋に戻っていた。ローソクに火を灯し、テーブルの上に並べた。最初の晩の頃はガサガサと外で音がすると、不安になり外に出てフラッシュライトで回りを確認していたが、そのうちなにかの動物だろうと気にもかけなくなった。 “コナ・サンセット”と固有名詞がつくほど、ここでは毎日、海に沈む夕陽が美しい。日が沈み、空の色が暗いグラデーションに変わっていく。僕はその空全体の色の変化を全身で感じ、今日一日の終わりを実感していた。 |
1月の夜のハワイは寒くて、暖房器具のないこの部屋で暖まる唯一の方法は、ベッドにもぐり込む事しかない。ある程度の寒さは覚悟していたが、山の上でもありそれは想像以上だった。 | |
まったくの開けっぴろげである。一応、農園主達に入るよと一声かけてから入る。温水は出るが、必要最低限の湯量でしかない。朝のシャワーは風が吹くと寒く、思わず目をつぶって我慢をする。だが、昼間のシャワーは遠くに紺碧の海を見ながら、熱帯の木々の色を目に感じ、全身全裸で風の匂いを受けて爽快な気分で楽しめる。 ○日本の方も泊れますが、以下の条件が必要かと思います。 この【ズマ・ファーム】のバンガローに泊る事はワイキキのホテルに泊る事と、対極に位置するハワイの過ごし方だと思います。ちょっとしたキャンプに泊る事をご想像してください。 | ![]() |
もし、宿泊にご興味のある方は、ズマファームのウェブサイト までお気軽にお問い合わせ下さい。ここの農園主の奥様は、日本人の方なのでいろいろと心強く、サポートもしてくださいます。 農園の母屋には、電気(ソーラーシステム)、水道(雨水の貯水)電話(つい最近に開通)、インターネット(サテライトシステム)等が完備されていますが、各バンガローには、電気・水道・電話がなく、夜はローソクとオイルランタンの灯だけで過ごします。 | |
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